アブレーションとは

 甲状腺癌と診断され、甲状腺全摘術によって病巣をすべて取り除くことができたと判断された場合でも、わずかに甲状腺組織が残っています。放射性ヨウ素(カプセル剤)でわずかに残った甲状腺組織の処置をすることをアブレーションと言います。アブレーションによって、再発予防の効果が期待できます。またそれ以降、再発の発見が容易になる利点もあります。
 放射性ヨウ素による甲状腺癌の治療は、約70年の歴史を有する安全な治療法です。特に甲状腺を全摘した後に放射性ヨウ素でアブレーションをしておくと、将来的に再発、死亡率が減らせるという高い有用性が臨床報告によって示され、海外では一般化しています。
 従来は、放射性ヨウ素治療は、放射線治療病室という専用の病室に数日入院する必要がありましたが、適切な配慮のもとに行うことにより、この治療を受けられた患者さんが帰宅されても家族の方々の安全性を確保できることが確認されたため、2010年11月から外来での治療が可能になりました。安全性を確保するために、この治療は関係法令で厳しく規制されており、特別な設備を持った施設でしか実施できません。
 このように、限定された施設でしか入院治療および外来アブレーションを実施していないため、患者の皆様には大変ご不便をおかけしますが、有効に活用していただければ幸いです。